通販のお客様にお届けしている「薪窯通信」。
パンのこと、薪窯のこと、曽爾村での日々のことなどを綴っています。

先日、村の猟師さんにお願いして、鹿の罠をかけてもらいました。
場所は我が家の裏山。私は狩猟免許は持っているものの「狩猟者登録」をしていないため罠をかけることはできず、今回は勉強として同行させてもらいました。罠をかけた後は、毎朝見回りに行きます。
数日経ったある朝。
静かな山の空気の中で、カサ、カサ…と枝が擦れるような音がしました。
「もしかして…」と胸がぎゅっと締まるような緊張感の中、罠に近づいていくと、4つのうち1つの罠にメスの鹿がかかっていました。
すぐに猟師さんに連絡し、駆けつけてもらいました。
その後の具体的な描写は控えますが、猟師さんが鹿を仕留め、食用にできるよう丁寧に処理してくださいました。私はただその一連の流れをそばで見ていただけなのですが、「食べる」という行為の価値観が大きく揺さぶられる体験となりました。
そのとき強く感じたことがあります。
・食べることは、いきもののエネルギーを引き継ぐこと
・いただいた命の分まで、私はしっかり生きなければならないこと
・普段スーパーで手にするお肉に至るまで、どれほどの行程と手間があるのか
そして、これは動物だけに限りません。
私が毎日扱っている小麦などの植物も同じ命であり、エネルギーです。
パン屋として、そのエネルギーを無駄にせず、きちんとパンにして、お客様へ届けること。この体験を通して、改めてその責任を強く感じました。
これからのパンはそんな思いを胸に焼いたパンです。
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