ある一日のこと

パンのこと

ドリアンのスタッフでもあり、
「ツカノマパン」の屋号でも活躍されている塚原さんが
大阪でパンの販売をされるということで、
パン学校同期のとんちゃんと行ってきた。

場所は大阪市阿倍野区の「フードオーケストラ」。
(初めて行ったこのお店自体とても素敵だったのだけど、長くなるので今回は割愛します! すみません。)

フードオーケストトラ

店内では、塚原さんご夫妻が
お客さんとお話しながらパンを販売されていた。

いや「販売」という言葉はちょっと合わない感じで
「届ける」とか「手渡す」という言葉の方がしっくりくるような風景。

パンの横に並んでいる八百屋さんの野菜を選びながら
塚原さんご夫妻とお客さんの会話に耳を傾けると
パンについてはもちろん、保存方法や食べ方についても
一人ひとりに時間をかけて説明されている。

あ、これも「説明」という感じが合わなくて
「伝える」とか「お話する」という感じかな。

それもありきたりの言葉ではなく、
オリジナリティというか、
お二人にしかできない表現というか。

特に、パンが日を経つにつれて味わい深くなることの
表現のされ方は、「単においしくなる」ではなく、
素材同士の関係性も交えてお話されていて物語のようだった。
(すみません。再現できません)

作り手と買い手の、あたたかい関係性。

振り返ると、昔はこんな感じだったよなあ。
家の近所に、八百屋さんやお肉屋さんがあって
お店の人と会話しながら買い物をしていた。
まだ私が保育園の頃、兄と一緒にお肉屋さんに二人だけでおつかいに行って
お店の人に褒められたことを今も覚えてる。

今でも、マルシェとかはこういうあたたかい雰囲気なんだろうなあと思うけど
最近行く機会がなく、ちょっと忘れてしまっていた感。

お二人の姿を見て
「ああ、こういうふうに私もパンを届けたいなあ」と思った。

私は通販をする予定なので
作ったパンすべてを直接お客さまに手渡し、というのは難しいと思うけど
なるべく、お話しながら、手渡ししたいなあ、と。

そして、翌朝いただいた塚原さんの「レザン」は、
それはそれはおいしく
「ああ、こういうパンを焼きたい」としみじみ思った。

ちなみに、その日寝るときも「明日の朝、またあのパンが食べられる〜」と思って
ワクワクしながら寝た。
パンで締めて、パンで始まる。
パンは人を幸せにしてくれるなあ。

「こんなふうにお客さんにパンを届けたい」
「こんなパンを焼きたい」

塚原さんご夫妻には、そんな理想の未来を間近で見させてもらった感じです。

「理想の未来」なんていうと叶わないので
自分の未来を見た、としておこう。

塚原さん、奥様、ありがとうございました。

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