魔女の宅急便の話

「ジブリの中で何が好き?」
「えーっと、私は〇〇が好き」

こんな会話、誰もが一度は経験があるのではないだろうか。

私はこの質問に、ずっと「魔女の宅急便」と答えてきた。
理由は「パンがおいしそうだから」。
女の子の成長ストーリーが……とか、最後の気球のシーンが……(後日追記:気球じゃなく飛行船でした!)というよりもとにかく、映画に出てくるパン屋の絵が好きで、パンがおいしそうで「魔女の宅急便が一番好き」と答えてきた。
なので、もしキキがパン屋ではなく、雑貨屋さんとか洋服屋さんとかにお世話になっていたら、1位は別の映画になっていかもしれない。いや、たぶんそう。

「魔女の宅急便」と言えば、のこのシーンなんか本当に大好きで、「茶色い大きいパン、おいしそうだなー」と思っていた。
(「おちこんだりもしたけれど、わたしはげんきです。」というキャッチコピーと、浮かない表情のキキのギャップがまた意味深。なぜこのシーンをメインのイメージに採用したか宮崎駿さんに聞いてみたい!)

明確な理由はないけど、「こういうパン屋の雰囲気、好きだなー」とたぶん30年くらい思っていて、それは「ヨーロッパのパン屋」の話なんだろうなと思っていた。

ところがどっこい。

2019年に近所の図書館で偶然手にした本『捨てないパン屋』でその認識が覆ったのである。

その本は、広島のパン屋「ブーランジェリー ・ドリアン deRien」の店主 田村さんが書かれたもので、パンを捨てないパン作りの話や、これからの働き方について綴られていた。そこに載っていたドリアンの写真がまさに、私がイメージしていた「魔女の宅急便」のパン屋だった。

「えー!日本にもこんなパン屋さんあるんだ!」
衝撃だった。

ドリアンについて調べると、著者であり店主である田村さんは、何百年も受け継がれてきたヨーロッパのパンの製法に忠実にパン作りを行っていることがわかった。

納得!
感動!
すごい!
とりあえず、パン食べたい!

すぐさま、パンを取り寄せ、次はそのドリアンのパンに衝撃を受けることになるのです。

そして、本を手にしてから2年後。田村さんが校長を務める「ドリアン パンの学校」に入学することに……。人生、何がきっかけでどうなるかわからないものですね。今はワクワクしかありません。

金曜ロードショーで録画した「魔女の宅急便」。
今晩観ようかな。

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