飛騨地方の郷土料理「ねずし」

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こんにちは。
奈良県の曽爾村で薪窯パン屋開業を目指す、「なかしー」こと盛谷亜紀子と申します。
今日もブログを読んでくださり、ありがとうございます!

今回は発酵食品について書きたいと思います。

お正月に実家に帰ったとき、「ねずし」を食べました。
「ねずし」は、岐阜県飛騨地方の郷土料理で
炊いたご飯に、生麹、塩鱒、大根、にんじん、生姜、塩を入れて混ぜ、20日間ほど発酵させたもの。
飛騨地方ではお正月のごちそうとして食べる習慣があります。

ねずしは、いわゆる「なれずし」(魚を米と塩麹で乳酸発酵させたもの)の一種。
厳密に言うと、発酵に米だけを使うのが「なれずし」、米と麹を使うものは「いずし」と分類されるそうです。

小さい頃はおいしさがわからなかったねずしも、
大人になってから食べると、口の中にじわ〜と広がるうまみを感じます。
「どんぶりいっぱい食べたい!」と思うおいしさではなく、
少量でも、心と身体が満たされる感覚。
日本酒と合わせてちびちび食べたい。

余談ですが、父は小さい頃、親に「晩ごはんは”すし”だよ」と言われ、
お寿司が出てくると思って期待していたらねずしが出てきてがっかりしたことがあると言っていました。
いつの時代でも、子どもにはあまり喜ばれない料理だったのかもしれません(涙)。

昨年7月、ドリアン パンの学校で「発酵について」の授業があり、
「発酵の役割2つ」を学びました。

  • (1)消化できないものを消化するため。
  • (2)発酵によって新たに生じる栄養素が、民族(地域)に必要な栄養素を担う。

ねずしはまさに(2)の役割を果たすご先祖さまの知恵。

雪深い飛騨地方で冬の間足りなくなる栄養素を、発酵によって生じるアミノ酸やビタミンで補っていたのだと思います。(栄養素だけでなく、鱒のピンクとご飯の白で見た目が紅白になり、お正月にぴったりです。)

先程、「ちびちび食べたい」と書きましたが、「少量でも満たされる」というところも、
発酵食品の素晴らしい点かな、と思います。
閉ざされた雪国で、家族みんなが「もっと食べたい!もっと食べたい!」と食べまくっていたら春を迎える前に食料が尽きてしまうので……。

またまた余談ですが、雪国の発酵食品と言えば「漬物」が挙げられますよね。
実家では、ホットプレートで漬物を焼いて食べたり、
漬物を煮る「にたくもじ」という料理にして食べたりしていました。
ご飯と一緒に数切れ食べるというものではなく、ちゃんとしたおかずだったのです。

お正月、お節の横の一等地に並ぶ漬物。ちなみに実家のある高山では大晦日の夕方にお節を食べます。

パンも小麦を発酵させる発酵食品。
先程の2つの役割で見てみると、
(1)乳酸菌メインの発酵でグルテンを分解する。
(2)発酵させることでアミノ酸が生まれる。
ということになります。

小麦やグルテンについて学んだことは、また別の機会に書くとして……。

今回、実家でねずしを食べたときに感じた「ちょっと食べるだけで、なんだか満たされるなー」という感覚を、自分がこれから焼いていくパンでも醸せたらなあと思ったのでした。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

これから先、全国的に寒波襲来とのことなので、皆さまご自愛くださいませ。

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