時間をかけてうまれること

久しぶりにパンを焼いた。

今回はホシノ天然酵母を使ったてのひらサイズの丸いパン。

酵母を起こすのに2日(夏なら1日)、一次発酵に数時間、低温発酵で24時間、冷蔵庫から出して1時間、最終発酵1時間……。
酵母を起こしてから食べられるまで4日くらいかかっている。

この時間がかかる感じ、ゆっくり、のんびりとした感じ。「好き」というのはまた違うけど、なぜか惹かれる。

以前、実家のある飛騨高山の木工会社で働いていた。木を使って小物や家具、建築まで手掛ける会社。木工会社だから、当然木に触れる機会も多かった。何十年、ときには何百年とかかって育ってきた木を見るとき、いつも「尊さ」のようなものを感じた。

野菜の促成栽培など、「本当は○時間かかって育つものを□時間で育てる」という時間短縮の技術が発達したけど、木に関してはそれができない(私の知る限りでは)。
「本当は50年かかって育てるヒノキを、10年でその大きさにしました」ということは、今のところない。

だから木を見るたびに「この木が大きくなるにはそれ相当の時間がかかったんだな」と思って、とても尊く感じる。だれも木の成長を早めることはできないんだな、と。

通常より早く育つ野菜も、3分でできるラーメンの存在もありがたい。手軽にお昼を済ませたいときなんて即席ラーメンにどれだけ助けられているか!

ただ、わたしは、じっくりと時間をかけて育つもの、育てることも大切にしていきたいと思う。

前述の木工会社の話に戻るが、その会社の理念は「100年かかって育った木を100年使えるものに」だった。私は、この会社の理念以上に惹かれる理念に出会ったことがない。そんな会社で働けたことを今でも幸せに思う。

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