本日11月1日も、店舗営業日にたくさんの方がお越しくださいました。
曽爾高原へ向かう途中、旅の寄り道としてお立ち寄りいただいた方も多く、本当にありがとうございました。曽爾村の小さな薪窯パン屋を目的地のひとつに選んでいただけること、心から嬉しく思います。
さて今日は、ずっと迷っていた“ある写真”について。
今だから出せるのか、それとも出さない方がいいのか……。
その写真とは、昨年11月8日、薪窯で初めてカンパーニュを焼いた日の記録です。
(ちなみに、低温で焼けるブリオッシュはそれ以前にも焼いていました。)
――白い。
とにかく白い。
40分ほど焼いたにもかかわらず、驚くほど色がついていませんでした。
- 薪窯がまだ蓄熱できていない
- 温度が思うように上がりきらない
- パンを入れる直前の「窯掃除」用の道具が準備できておらず、手間取っているうちにどんどん温度が下がる
と、ないないづくしの状態で、真っ白なカンパーニュができてしまったのです。
その日は
「初めてカンパーニュを焼きました♪」
とインスタに投稿する気満々だったのですが、この仕上がりを見て「さすがにお客さまが不安になる……」と投稿を取りやめました。
あれから約1年。
ようやく薪窯の温度が安定し、焼成中に温度が急落することがほとんどなくなりました。
パン学校で教わった
「薪窯が本当に完成するのは、火入れを始めてから約1年。モルタルや砂の水分が完全に抜けるまで1年はかかる」
という言葉。まさにその通りで、1年たった今、ようやく窯が“完成”した感覚があります。
もう、写真のような真っ白いパンは出てきません。
そして今日いちばん言いたいこと。
これから薪窯を作るみなさん!
私の最初のカンパーニュは、こんなに白かったんです!
きっとこれ以上白くなることはないと思うので、安心して窯づくりに挑んでください!
最後に救いだったのは、この白いパンを食べたときです。
見た目は真っ白でも、ちゃんと“パンの味”がしていた。
小麦とライ麦、発酵種、そして製法がつくり出す風味が確かに感じられ、思わずホッとしたことを今でも覚えています。
焼き色は未熟でも、味はしっかり薪窯のパンでした。
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