先日パン職人の友人が遊びに来てくれて
自分の作ったカンパーニュを食べてもらったことを書きました。
実は、ビビリな私は、カンパーニュを2種類焼いていました。
(1)酸味が強くて旨味が少ないカンパーニュ
(2)酸味が少なくて食べやすいカンパーニュ。
の二つ。二つの違いは発酵種の違いです。
ビビリな私は(2)のカンパーニュを友人たちに食べてもらいました。
その日から一週間。
友人からもらったパンを食べ終え
自分が焼いた(1)のパンを一週間ぶりに食べる朝。
友人のおいしいパンを毎朝食べ続けた後に食べる自分のパンだったので
正直、ちょっとテンション低めで口に入れたのです。
(焼いたパンは全部褒めてあげること、とパン学校で教わっているのに、パンよ、ごめんなさい!)
すると……
テーレッテテー♪
そんな音が頭に鳴り響きました。
一週間前に「酸味が強くて旨味が少ない」と思っていたパンが
随分とおいしくなっていたのです。
夫も「あれ?これ誰のパン?」と。
これはまさしくドリアンパン学校で教わった乳酸菌の力ではないか!
なぜ、パンの味が変わったか。
それは焼いた後のパンに起こっている現象によります。
カンパーニュは乳酸菌を含んだ発酵種を使って作っています。
焼くことで乳酸菌は死んでしまうのですが、
乳酸菌が生み出す「酸」は死ぬことはありません。
パンを焼いた後も残る酸と水分により、タンパク質が分解され
グルタミン酸、イノシン酸などのアミノ酸、つまり旨味成分が生まれたと考えられるのです。
パンづくりを教わっているドリアンでも
通販でお客様に送ったパンが宛先不明で一週間後に戻ってくることがあり
そういうときのパンを食べてみるととてもおいしいそうです。
これまでもカンパーニュは焼いてきましたが
あまり大きなサイズで焼いていないこともあり
数日で食べきってしまうので
自分のパンを一度食べて、一週間あけて、再度食べるという経験がおそらくこれが初めて。
(買ったパンを数週間かけて食べたことはあります。)
しかも今回は
自分のパン(酸味強い!)→友人のパン(おいしい!)と
食べ比べることで味覚に敏感になっていたのだと思います。
焼き立てより、数日経った方がおいしいパン。
そんなパン、最高だな〜。
日持ちもするし♪
これまでドリアンパン学校で学んできた
乳酸発酵のパンの力を体感できた今回の出来事。
世の中にはいろんな種類のパンがあり
それぞれに魅力がありますが
私はこの乳酸発酵のパンでやっていこう、と改めて思った次第です。
これからパンを食べてもらう人にも
「一週間後に食べてください」と言おうかな。
皆さん、ぜひ試食をお願いします〜。
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