京都「弥栄窯」さんを見学させていただきました

パンのこと

昨日、京都府京丹後市の薪窯パン屋
弥栄窯(やさかがま)」さんを、
パン学校の同期、
とんちゃんと一緒に見学させていただきました。

実はまだ余韻に浸っています。
正確に言えば浸って「いたい」。
店主 太田さんから聞いたお話が私にとっては
良い意味で重く、
昨日から何度も反芻しています。

語彙力がないのですが、
とても良いお話を聞けました。

パンの作り方とか、窯の作り方とか、
具体的な質問もさせてもらいましたが、
もっと深い部分、
太田さんの信念のようなものを聞かせていただき、
それがズドーンと響いて残っています。

例えば薪のお話。

昨年、2017年の弥栄窯開業以来、
初めて薪を買ったのだそう。
それまでは家屋を解体した際に出る
廃材などをもらって使っていたので、
薪を買うことはなかったそうです。

廃材だから、
広葉樹だけでなく、
針葉樹も混ざっている。
一般的には「薪=広葉樹」というイメージが強いけど、
太田さんは広葉樹と針葉樹を分け隔てなく使う。

「大切なのは広葉樹でも針葉樹でも木の質量。
目のつまり具合」と太田さん。
1本の薪を持ったときの重さで
目のつまり具合を感じ、
その感覚でくべる薪の量を調整していく。

窯にくべる薪の樹種や量が毎回違うから、
当然、燃え方、炎の状態も毎回違う。
「グラ」と呼ばれる
炎の向きを買える装置を動かす時間も毎回違う。

「炎の状態が毎回違っても、
焼けたパンは安定していないといけない。
仕事としてやっている以上
『失敗しました』は絶対にやってはいけない。
その緊張に耐えられるメンタルが必要。
でも、毎回違うから飽きないんです」と太田さん。

薪だからといって
広葉樹だけを使うのではななく、
資源としてあるものを大切に使う。
そして、1本1本の薪の質量をみながら
毎回変わる炎と向き合っていく。

私も、家の裏山の杉を伐って、
手入れしつつ、
それを薪にしたいという思いがあります。
広葉樹と針葉樹を混ぜて
パンを焼く方法は
私の目指すところなのですが、
薪を持って
木の質量を感じようとする太田さんと
「裏山の針葉樹使いたい!」と
言っているだけ自分の
何か大きな差を感じずにはいられませんでした。

あ、もちろん、
薪として広葉樹のみを使うことを
否定しているわけではありませんよ。

その他、
グルテンに対する考え方、
なぜ手捏ねするのか、
パンはローカルフードであるべき、
パンを焼くことで何を実現させたいかは人によって違う、
「これ以上おいしくしなくていい」というラインがある、
など、貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。

そういったお話は、
すべて深く、重く、説得力があります。
それは、太田さんが、
実際にヨーロッパのパン屋を巡って修行されたり、
自分で窯を作ったり……という
実体験があるからなんだな、と思います。

その証拠に太田さんから出る言葉は
「フランスでは〜でした」
「ジョージアでは〜でした」
と、ご自身が体験されたことばかり。

なんでもかんでも
ネットで情報が手に入れられて、
「ネットではこう書いてありました」と
いくらでも話せる今、
太田さんが蓄積されてきた
経験、知識、技術、
それを組み合わせることによってこそ
生まれる信念は
だれにも邪魔されない、
本当に力強い財産になるのだなと
お話を聞いていて感じました。

そして、ご家族との時間、
柔術の指導(太田さんは元プロ格闘家)、
家の改装など、
パンを焼く時間以外も大切に、
むしろそちらを軸にされている姿は、
本当に素敵に感じました。

ブログを書きながら、
昨日をより濃く思い出せてよかったです。

太田さん、奥様のちえさん、
ありがとうございました。

そして、最後までブログを読んでくださった方、
ありがとうございました。

私は、私にできる体験を積んでいこうと思います。

コメント

  1. 菜々織 より:

    以前YouTubeにあった弥栄窯さんの動画を観ていて、憧れる志しを持つ方は憧れての方と繋がっていくのだなと1人嬉しくなりました。私も地産地消のパンを作りたいと思い粛々と今出来ることをしています。毎投稿、とても参考にさせていただいています。いつか、いつか、皆さんの世界と同じところに立てるよう、奮闘します。思わずコメントを載せてしまいました、長々と失礼しました。

    ドリアンさんのパン学校への応募を地域と子育て理由に勇気なく諦めた者より。

    • moritani より:

      コメントありがとうございます。ブログ、読んでくださっているのですね。とてもうれしいです。私はパン屋経験もなく、弥栄窯さんとお話させていただくのもおこがましい立場なのですが、思い切ってアポイントをとらせていただき、結果貴重なお話が聞けて、本当に良い経験になりました(お話を聞いている間、ずっと変な汗をかいていました笑)。地産地消のパン作り、私も目指して奮闘していきます! ありがとうございました。

      • 菜乃織 より:

        何事も思い切りが大事です!パン学校もそうです!ユンボに乗って窯作りに挑まれているのも全て尊敬です!!返信いただけて本当に嬉しかったです。今の自分に出来る事は何か、何から始めたら良いやら…と迷走中ですが、夢に向かう気持ちだけは折れないので、奮起してやっていきます。またインスタの方でもコメント入れさせていただきます。(上の投稿、ドキドキしすぎて、名前を間違えました꜆꜄꜆恥
        この名前でいつかお店をやるのが夢です)

        • moritani より:

          菜乃織さん、素敵なお名前ですね!同じ夢を持つ方からコメントいただけて、とても心強いです。無理せず楽しみながらやっていきます!