窓の建具のこと

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今、奈良県の曽爾村にある古民家をリノベーションしている。

リノベーションを始めたのは2019年。もう3年になるが、週末だけの作業でコツコツやっている。
全然完成しないから、「曽爾のサグラダ・ファミリア」と言われているとかいないとか……。

この家が将来は「薪窯のパン屋」になる予定。

古い家なので、雨漏りしたり床がペコペコしたり、直さなければいけないところがたくさんあるが、それ以上に古い家だからこその良さもたくさんある。

部屋の窓の建具もその一つ。
角が丸くなっているのだ。

初めてこの部屋に入ったとき「なんてかわいい窓なんだろう!」と思った。

よく見ると、2枚の板を組み合わせてある。
一つひとつRが違うので、すべて手作業で板が削られたこともわかる。

家具職人である夫曰く「こんなに手が込んだ建具を作ってくれるところは、今はあるかな〜?」。

角が直角でも全く問題ないのにあえて曲線にしているのは、建具屋さんのデザインへのこだわりか。

この窓を見る度に「この家を残せてよかったな」と思う。
こんなに手が込んだ建具を壊さなくてよかった。

他にも、大きな梁やかまどや五右衛門風呂など新しい家にはないお宝がこの家にはたくさんある。

昔の人の暮らしや手仕事が感じられる家に住めることがとてもうれしい。
いざ住んでみたらた大変なことはたくさんあるだろうけど。

この家で、昔ながらの作り方で薪窯をつくって、昔ながらの作り方のパン屋ができたらもっとうれしい。

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