「ナカシー、このカンパの後ろにお願いします」
塚原さんから、窯入れ(パンを入れること)のバトンが回ってきた。
一昨日の準備不足があったので、次にチャンスが来たら絶対つかもうと思っていた。
ピール(パンを窯に入れるための長いしゃもじのようなもの)に粉を軽く振り、パヌトン(パン生地を入れるかご)から生地を出し、ピールの上に乗せる。
直前まで塚原さんのクープを入れる動きを真似したので、その流れでクープを入れる。
横横、縦縦。
今日はクープナイフの向きを間違えなかった。クープも前回より深く入れられた。
(もちろん、まだまだ合格点ではありません。)
パンを置く位置までピールを入れて、サッとピールを引き、パンを置いてくる。
しばらくして、型に入ったブリオッシュの窯入れもさせていただいた。
小さめのピールに1個ずつ型を乗せ、窯に入れる。
1個目成功、2個目少し型が斜めになる、3個目も斜めに。
あ〜。次を入れる前に、斜めに入れた型をまっすぐにしなければ〜。
あ〜。焦って時間が過ぎていく。
塚原さんの「変わります!」の声で、塚原さんにバトンタッチ。
私が斜めに置いた型をまっすぐに直してくださる。
そして残りの生地を窯に入れていく。
塚原さんがタイマーをチラッと見る。
残り5分半ほど。
パンを入れる「窯入れ」は、20分以内に行うことになっている。
ああ、そうだ。
私が窯入れをする分、いつもの窯入れより時間がかかるんだ。
今日私が窯入れしたカンパーニュ(小)は、塚原さんは通常一つのピールに4個乗せて窯入れされている。
4個入れられるところを、私の分の1個残して、その1個を私が窯入れする。
ブリオッシュも私が時間がかかった分、塚原さんがカバーしてくださる。
一人でやれば余裕で20分で終わるところを、私にも研修させてくださり、
その上で20分で終わるようにもっていかれる。
「与えられたチャンスをつかむ」って、自分のこと、自分のプラスになることしか考えてなかったけど、教えられたことができるようになることが、チャンスを与えてくださった方に応えること、それでしか応えることはできないんだと思いました。
うまく言葉にできませんが、「大切な時間を割いて教えていただいているんだ」、と、塚原さんがタイマーをちらっと見た瞬間、気付かされました。
今日は、ドリアンのパンを予約注文されたお客様がお店に受取に来る日。
約2ヶ月に1回ある、セルフサービスの受取日です。
パンを手にしたお客様が「楽しみです〜」とおっしゃって、私もしあわせな気持ちになりました\(^o^)/
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